現代的な材料研究では、化学的知見に基づいてうち立てた設計指針に、量子化学計算を用いて肉付けしていくことが重要です。ドーピングの効果など、設計の妥当性を調べた上で、実際の合成を行います。所望の組成に調整した原料を反応させることで、多結晶体および単結晶試料を合成しますが、通常の条件では狙った物質が合成できるとは限りません。そこで、原料を試料セル内に閉じ込めたうえで、合成に有利な高温・高圧状態にする高圧合成法を利用します。合成した試料に対して構造解析や基礎物性の評価を行うと同時に、酸素や水素といった軽元素も含めた組成分析も行います。さらに各種分光学的手法を駆使することで合成した試料の電子状態を明らかすることを目的に研究を行っています。