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2021.06.17 高エントロピー2次元ファンデルワールス結晶の合成に成功

東京工業大学 元素戦略研究センターの应天平(Tianping Ying)研究員(研究当時)、細野秀雄栄誉教授らは、高エントロピー2次元ファンデルワールス結晶(HEX)を創出した。
高エントロピー物質は、5種類以上の原子を等量で混合して溶解することで安定化させたもので、2004年に合金で初めて提唱され、膨大な新物質の生成と新しい物性の実現が期待されており、世界中で研究が活発化している。一方、層間が弱い結合(ファンデルワールス結合)で結ばれた2次元物質では、超伝導や単層化することで、グラフェンが持つような3次元物質ではみられない新しい物性が数多く見出されており、物性研究の新しい舞台となっている。
本研究は、高エントロピー物質と2次元物質の特徴を併せ持つ物質の実現を目指して行われたもので、3種類の2次元結晶を使って、16種の高エントロピー物質の合成に成功した。これらの物質では、超伝導、金属・半導体転移、磁気秩序や優れた化学耐久性など、単独の2次元物質ではみられない物性が確認された。
高エントロピー物質についてはこれまで、3次元の結晶構造をもつ物質を中心に研究が展開されてきたが、今回の成果によって2次元ファンデルワールス結晶を舞台にした展開が可能になり、数多くの新物質や新機能の発見が期待される。
この研究成果は米国科学誌「Journal of the American Chemical Society」の、4月29日付にオンライン公開された。


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