トピックス

2020. 12.02 排熱を電気に変える高性能熱電素子実現へ

東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の片瀬貴義准教授、神谷利夫教授、元素戦略研究センターの細野秀雄栄誉教授らの研究グループは、最も高い熱電変換の性能指数ZT値をもつ熱電材料として注目を集めているセレン化スズ(SnSe)半導体にアンチモンを添加することで、熱起電力の極性をp型からn型、さらにp型へと自在に制御することに成功した。

同じ添加物により極性が多段階に変化する材料は極めて珍しい。放射光による構造解析と第一原理量子計算により、添加量に応じて、アンチモンの置換位置がスズからセレン位置へと移動するために、SnSeの極性が多段階に反転することを明らかにした。

本研究成果により、SnSeだけによる高品質なp/n接合デバイスの作製が可能になり、排熱を電気に変換する高性能熱電素子の実現が期待される。また、p型やn型に極性を制御することが困難な他の新規半導体でも新しい極性制御方法を開発するアイデアとなることが期待される。

研究成果は「Advanced Functional Materials(アドバンスト・ファンクショナル・マテリアルズ)」誌オンライン版に速報として12月1日付(現地、ドイツ時間)に掲載された。

詳細はこちら

 
  • 東工大元素戦略拠点
  • ACCEL
  • イベント
  • 関連リンク
  • 連絡先・アクセス
  • 関係者専用ページ