総合研究院 フロンティア材料研究所の半沢幸太助教、同 元素戦略MDX研究センターの細野秀雄特命教授(東京科学大学栄誉教授)、同 フロンティア材料研究所の平松秀典教授(兼 元素戦略MDX研究センター)らの研究チームは、独自の化学設計指針を打ち立てることで、今までは光・電子機能とは無縁と考えられていたスピネル型硫化物(Zn,Mg)Sc2S4が、室温で紫~橙色の広範囲で光り、かつp型にもn型にも制御可能な半導体であることを発見しました。
現在、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオードとして用いられているInGaN系(窒化物)やAlGaInP系(リン化物)の材料では、人間の視感度が最も高い緑色において発光効率が大きく低下するという「グリーンギャップ問題」があります。また、太陽電池においては、光を高効率に吸収可能な新しい半導体材料が強く望まれています。発見した硫化物半導体はそれらすべての機能を満足しており、次世代のLEDや太陽電池に使える新材料として期待できます。
本成果は、9月17日付(米国東部時間)の「Journal of the American Chemical Society」誌に掲載されました。
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