講義ノート |
■講義方針
1. 必要知識を講義内で完結する。
2. 枝葉的な知識は最小限にして重要な事柄をしっかりマスターする。
3. 可能な限り現代科学を取り入れる。
4. 化学的物理的イメージを大事にするため静的図、動的図を多用する。
5. スライド中心に講義を進め、式の展開等はiPad上で行なう。
6. 講義中の問いかけ、キーワードによる確認、小テストを行なう。
7. 講義中はSlackを立ち上げるので、回答者は学籍番号と名前を送る。
8. レポートにグループ議論を取り入れる。オンラインの場合の交流の場も兼ねている。
9. 一般化学以外では教科書を指定せず講義前にアップロードされる資料をもとに進める。
*著作権は作者に帰属します。使用した資料は引用がわかる形にしています。
■一般化学I(全15回)
高校化学の復習と確認をしながら専門科目への橋渡しをします。マクマリー 一般化学(上)(東京化学同人)を教科書として、
その内容を適宜アレンジしたスライドをベースに講義を行い、教科書との組み合わせで進行します。
*グループレポートでPCかタブレットが必要です。
第1回:化学へのアプローチ
第2回:原子の構造
第3回:原子の電子構造
第4回:原子の周期性と原子間結合
第5回:原子間結合則と分子構造
第6回:原子の安定性と放射線の化学
第7回:中間テストとレポート評価会
第8回:水溶液内の反応
第9回:熱化学とエネルギー
第10回:気体の性質と振る舞い
第11回:液体と固体と相変化
第12回:溶液とその性質
第13回:反応速度式
第14回:化学反応速度論
第15回:期末テスト
■無機化学I(全15回)
無機化学の基礎から発展の入り口までを学びます。教科書は指定せず、シュライバー・アトキンス 無機化学(上)(東京化学同人)、
Inorganic Structural Chemistry, Ulrich Muller (John Wiley & Sons, Ltd)を参考にしたスライドをベースに講義を行います。
日本は無機固体材料大国なので、配位化学より固体化学を念頭においた内容にしています。
材料研究には結晶学の知識が重要なので、結晶学の基礎にも触れています。
細かい知識は自分で学習することを念頭に本当に重要なことのみを伝えます。
*PC必須のレポートがあります。OSは、Windows, Mac, Linuxのいずれも可です。
各回の最後に小テストを行い(全体の6割)、期末テストは、その中から出題します(全体の4割)。
第1回:無機化学へのアプローチ—一般化学の復習
第2回:原子の電子状態
第3回:結合と軌道
第4回:結合と立体則
第5回:結晶場理論
第6回:結晶構造の基本原理
第7回:物質における対称性
第8回:対称性と結晶構造
第9回:無機材料と構造決定
第10回:無機材料と物性評価
第11回:無機材料合成
第12回:配位化合物と金属錯体
第13回:酸と塩基
第14回:酸化還元
第15回:期末テスト
■無機化学II(全15回)
無機化学Iの知識をベースに様々な元素と物質の性質を学びます。教科書は指定せず、シュライバー・アトキンス 無機化学(上,下)(東京化学同人)、
無機化学の教科書における各論は古い内容が散見されるため、知識をアップデートしたスライドベースの講義を行います。
日本は無機固体材料研究が盛んですので、なるべく現代産業の理解に役立つ内容にしています。
そのため、前半を現象別にした無機材料の性質に触れ、後半を典型元素にフォーカスした内容で進めます。
*PC必須のレポートがあります。OSは、Windows, Mac, Linuxのいずれも可です。
各回の最後に小テストを行い(全体の6割)、期末テストは、その中から出題します(全体の4割)。
グループ形式のレポートを作成し、発表会を行ないます。内容、質疑、議論に対して追加点を付与します。
第1回:無機化学IIの概略と材料物性の基礎
第2回:半導体
第3回:誘電体
第4回:磁性体
第5回:金属
第6回:超伝導体
第7回:電池材料
第8回:触媒、ナノ材料
第9回:ガラス、セラミック、産業用素材
第10回:レポート評価会(プレゼン形式)
第11回:水素、アルカリ、アルカリ土類
第12回:13族と14族
第13回:ニクトゲンとカルコゲン
第14回:ハロゲンと貴ガス
第15回:ランタノイドとアクチノイド
第15回:期末テスト
■結晶学(全15回)
結晶学の基礎と単結晶構造解析について学びます。教科書は指定せず、X線結晶解析の手引き、桜井敏雄 (裳華房)、
X線結晶構造解析、大橋裕二 (裳華房)、物質の対称性と群論、今野豊彦 (共立出版)、実験化学講座 回折 (丸善)
Inorganic Structural Chemistry, Ulrich Muller (John Wiley & Sons, Ltd)、International tables for crystallography (Kluwer Academic)
を参考にしたスライドをベースに講義を行います。
第1回:結晶学の歴史と現代科学
第2回:ブラベー格子とミラー指数
第3回:対称操作と点群
第4回:空間群とInternational Tables(1)
第5回:空間群とInternational Tables(2)
第6回:X線の発生と装置の調整、実験と解析の手順
第7回:ラウエ条件と結晶構造因子
第8回:逆格子とエバルトの作図
第9回:消滅測と空間群の決定
第10回:初期構造決定と解析の収束
第11回:解析結果のまとめ方
第12回:相転移と部分群
第13回:解析上の問題点と解決法
第14回:特殊な解析
第15回:期末テスト
■放射化学(全15回)
放射線全般に関する知識を学びます。教科書は指定せず、放射線概論(通称産業研究社)などをもとにしたスライドをベースに講義を行います。
各回の最後に小テストを行い(全体の6割)、期末テストは、その中から出題します(全体の4割)。
第1回:放射化学の概要と歴史
第2回:原子核と放射線
第3回:核壊変の物理
第4回:放射線と物質との作用
第5回:核壊変の化学
第6回:放射性核種と壊変
第7回:放射線の生物作用
第8回:放射線の生体への影響I
第9回:放射線の生体への影響II
第10回:放射線の生化学と医療での利用
第11回:放射線の測定I
第12回:放射線の測定II
第13回:放射線の管理と防護
第14回:原子力発電
第15回:期末テスト
■物理化学I/熱力学(全15回)
熱力学、相平衡、反応過程の理解を目的とします。
第1回:熱と熱力学と現代産業
第2回:気体分子運動
第3回:熱力学第一法則
第4回:熱力学第二法則
第5回:カルノーサイクル
第6回:熱機関と可逆不可逆過程
第7回:熱力学第三法則
第8回:ヘルムホルツとギブスエネルギー
第9回:相と相平衡
第10回:化学ポテンシャル
第11回:反応速度論
第12回:ランキンサイクル
第13回:ヒートポンプと冷凍機
第14回:触媒と燃料電池
第15回:期末テスト
■物性化学/固体物理(全15回)
固体における物性現象の理解を目的とします。教科書は指定せず、物性物理学(溝口正、裳華房)、バーンズ固体物理学シリーズ他
多数の参考書を元にしたスライドをベースに、式の展開は板書形式で進めます。
第1回:原子と周期律
第2回:原子間結合と軌道
第3回:原子配列と回折
第4回:格子振動(1)
第5回:格子振動(2)
第6回:自由電子の性質(1)
第7回:自由電子の性質(2)
第8回:固体中の電子(1)
第9回:固体中の電子(2)
第10回:バンド構造
第11回:物質の磁気的性質(1)
第12回:物質の磁気的性質(2)
第13回:超伝導(1)
第14回:超伝導(2)
第15回:期末テスト
■力学(全30回)
古典力学の基礎知識を通年で取得します。教科書は、考える力学 (学術図書出版社、兵頭俊夫著)です。
講義は板書形式で進め、適宜補助資料を使います。講義中の回答、小テスト、前後期期末テストで成績が決まります。
前期
1.本講義で何を目指すか、及び、運動の法則と基本概念
2.力と運動
3.運動量と力積、中間テスト
4.運動方程式の解法
5.仕事とエネルギー
6.極座標による記述
7.角運動量
8.並進運動、期末テスト
後期
9.回転運動
10.2体問題
11.質点系と剛体
12.剛体運動の例
13.解析力学
14.期末テスト
■物質科学特論(全15回)
物質科学を学ぶ大学院向け講義。無機固体化学と結晶学、量子ビームを中心とした最先端解析法についてを学びます。
第1回:機能性材料:機能性材料研究の歴史と背景
第2回:結晶構造(1):結晶学と無機固体化学の基本的な考え方を理解する
第3回:結晶構造(2):機能性材料の結晶構造を学ぶ
第4回:結晶構造(3):機能性材料の結晶構造からみた物質開発を学ぶ
第5回:電子構造(1):電子状態計算の基本的な考え方を理解する
第6回:電子構造(2):機能性材料の電子構造を学ぶ
第7回:物性(1):機能性材料の伝導物性を理解する
第8回:物性(2):機能性材料の磁気物性を理解する
第9回:物性(3):機能性材料の熱物性を理解する
第10回:物性(4):機能性材料の光物性を理解する
第11回:材料評価(1):結晶構造評価における基礎と最先端手法を学ぶ
第12回:材料評価(2):磁気構造評価における基礎と最先端手法を学ぶ
第13回:材料評価(3):局所構造評価における基礎と最先端手法を学ぶ
第14回:材料評価(4):電子構造評価における基礎と最先端手法を学ぶ
第15回:まとめ