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2021.12.10 低温ポリシリコン(LTPS)に匹敵する高性能で安定なアモルファス酸化物薄膜トランジスタ(TFT) を実現

東京工業大学 元素戦略研究センターの金正煥(Junghwan Kim、キム・ジョンファン)助教、細野秀雄栄誉教授らは、性能の高さと実用レベルの安定性を両立させたアモルファス酸化物薄膜トランジスタ(TFT)の開発に成功した。

2004年に東京工業大学の研究チームが発表した、高い移動度をもつアモルファス酸化物半導体InGaZnO(IGZO)の薄膜トランジスタ(TFT)は、既に有機ELテレビや高精細液晶ディスプレイなどで実用化されている。一方で近年では、次世代ディスプレイやメモリー向けに、低温ポリシリコン(LTPS)TFTに匹敵する高い移動度をもつ酸化物TFTが求められている。しかし、高い移動度が得られる酸化物TFTでは、長時間の使用により深刻な不安定性が生じてしまうことが大きな技術的障害になっていた。

今回の研究ではそうした「移動度-安定性トレードオフ現象」のメカニズムの解明に成功した。それに基づいて作製プロセスを工夫した結果、LTPS-TFTに匹敵する高い移動度と、実用レベルの安定性を両立した酸化物TFTを実現した。特に長年の謎であった「移動度-安定性トレードオフ現象」が解明されたことで、アモルファス酸化物TFTの実用化に向けて大きく前進することが期待される。

本研究成果は英国科学誌「Nature Electronics」に2021年11月22日付で公開された。


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