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2021.11.05 新しい半導体物質「硫化ホウ素シート」の生成に成功

硫化ホウ素シートは、ホウ素と硫黄から構成される原子4層の厚みの二次元状に広がった物質で、優れた熱電特性や水素吸蔵特性を示すことが理論的に予測されていました。しかしながら、これまでに実際に合成あるいは観測された報告はありませんでした。筑波大学数理物質系近藤剛弘准教授(東京工業大学元素戦略研究センター特定准教授)らは、菱面体硫化ホウ素という層状の物質の表面を剥離することにより、硫化ホウ素シートの生成に成功しました。

分析の結果、この硫化ホウ素シートは、ホウ素と硫黄が共有結合した半導体であり、このシートを重ね合わせることで、バンドギャップが最大で1.0 eV(エレクトロンボルト)程度変化することが分かりました。これは、太陽電池やトランジスタなどの電子デバイス部品や、光触媒として用いる上で重要な特性です。さらに、電子の有効質量が軽いという性質を持ったn型半導体であることが計算により示されました。

今後、理論予測されていた熱電材料や水素貯蔵材料としての応用に加え、電子デバイスの半導体部品としての利用や、光触媒としての応用、光に反応するセンサー材料など、幅広い分野への展開が期待されます。

本成果は2021年10月27日(現地時間)に英国科学誌「Journal of Materials Chemistry A」に掲載されました。


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