トピックス

2021.06.02 ギャップ長20nmのナノギャップガスセンサの開発に成功

東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の真島豊教授(元素戦略研究センター兼任)、Phan Trong Tue(ファンチョントゥエ)助教(研究当時)の研究グループは、抵抗変化型ガスセンサの電極間隔(ギャップ長)に注目し、20 nmのナノギャップ電極とすることで、従来のガスセンサと比較して約300倍高速化したガスセンサを開発することに成功した。

ガスセンサは、医療・健康分野、環境分野、安全分野などさまざまな用途で利用されているが、今後さらに生活価値(QOL)の向上に貢献するにはその高速化・高機能化が欠かせない。本研究では、一般的な抵抗変化型ガスセンサについて、電子線リソグラフィを用いてギャップ長を制御することで、ギャップ長とガスセンサ応答の関係を検討した。その結果、ギャップ長が35 nm以下になるとガスセンサ応答が高速化することがわかった。本研究で開発した20 nmのナノギャップガスセンサでは、酸素ガスに対する応答速度を、一般的なギャップ長(12 µm)のガスセンサの約300倍に高速化することに成功した。
今回開発したナノギャップガスセンサでは、ガス検出材料として酸化セリウムを用いた。このセンサの酸素、水素、一酸化炭素に対する応答を検討したところ、酸素ガスへの高い選択性があることがわかった。ただし、ナノギャップガスセンサを構築する際に最適なガス検出材料を選択すれば、どのガスに対するガスセンサでも高速化・高機能化することが可能であるため、産業用途への幅広い応用が期待される。

今回の成果は、ガスセンサ分野で最も権威のある学術誌の1つであるSensors and Actuators B: Chemicalのオンライン版に5月9日に掲載された。


詳細はこちら

 
  • 東工大元素戦略拠点
  • ACCEL
  • イベント
  • 関連リンク
  • 連絡先・アクセス
  • 関係者専用ページ