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2016.10.12 低温で高活性なアンモニア合成新触媒を実現

JST戦略的創造研究推進事業において、東京工業大学の細野秀雄教授と原亨和教授、北野政明准教授、井上泰徳研究員、高エネルギー加速器研究機構の阿部仁准教授らは、カルシウムアミド(Ca(NH2)2にルテニウムナノ粒子を固定した触媒が、300 ℃程度の低温度領域で、従来の触媒の10倍以上の高い触媒活性を示すことを発見しました。さらに、Ba(バリウム)を3%添加したCa(NH2)2にルテニウムを固定した触媒(Ru/Ba-Ca(NH2)2)では、700時間(約1ヵ月)以上に亘り反応を行っても触媒活性はほとんど低下せず極めて安定に働く触媒であることも明らかにしました。

アンモニアは窒素肥料原料として膨大な量が生産されており、最近では水素エネルギーキャリアとしても期待が高まっています。本研究成果は、アンモニア合成プロセスの省エネルギー化技術を大幅に促進する結果であるといえます。従来から使われてきたルテニウム触媒の多くは、金属酸化物やカーボン材料などに固定されていました。本触媒では、窒素含有無機化合物であるカルシウムアミドを用いることで、ルテニウムと窒素が結合し、カルシウムアミド上に大きさのそろった平らな微粒子状でルテニウムが固定されます。このことにより低温で高活性かつ安定な触媒活性が発現しました。

本研究成果は米国科学誌「エーシーエス・キャタリシス(ACS Catalysis)」オンライン速報版に2016年10月8日午前0時(日本時間)に公開されました。


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