目指すもの

本稿著者の専門分野は量子化学・電子状態理論・計算材料学であり、分子/金属、固体電解質/金属、固体電解質/分子/金属等のナノ接合体を研究対象とし、分子デバイス、量子演算デバイス、電気化学デバイスの機能追求を電子輸送・イオン輸送・化学反応の観点のもとに行っている。これら接合界面は、物質により構成されるデバイス内になんらかの形で存在し、それがデバイス動作の希有な特徴をいい意味でも悪い意味でも与え得る。本稿著者の研究における力点は、その界面に現れる複雑な原子配列・電子構造から化学的/物理的本質を導き出し、ミクロスコピックな電子状態制御からマクロな物理量の把握・制御を通したナノスケールデバイスの開拓を行うことにある。特に、デバイス動作時の素過程として重要な電子輸送・イオン輸送・化学反応を量子化学の体系の中で培われてきた化学結合と軌道概念を通して系統的に理解し、ナノスケールデバイスの設計に有用となる基本概念を提示する「デバイス量子化学」の確立を目指している。

具体的な内容に関しては、個別のカテゴリーとして設けた分子デバイス、電気化学デバイス、量子演算デバイスを参照していただきたい。

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